小学生の算数を見ていて、方程式を使って解けば簡単なのに…と思ったことはありませんか?
私は、自分の妹のときも自分の息子のときも思いました。
方程式で解けばすぐに答えが出るほど簡単なのに、わざわざ面積で表して解いたりしていて、それが理解できませんでした。
だから、妹が小学生のときに方程式での解き方を教えたのですが、妹に「そんなのわからない!」と怒られて失敗しました。
妹のときは私も高校生でまだまだ教えるのが下手だったし、妹がバカだったのだと思っていました。
(実際、妹は高校生にもなって、銀行に切手を買いに行くような残念な子なんです)
そして、時は経ち、息子が生まれ、息子が小学校3年生となり…
息子は妹より算数が得意だし、息子なら理解できるだろうと思い、方程式での解き方を教えました。
そして、失敗しました…

みなさんはもうお気づきですよね?
えぇ、一番のバカ者は私です、はい(笑)
それでも時間をかければできるのでは?
と諦めきれなかった私は、本当にできないのかあれこれ考えました。
その結果、4つの理由でやっぱりやめとこうという結論に至りました。
4つの中でも1番どうにもならないと諦めた理由は、塾に行くなら方程式を教えると子どもが混乱するだけ!です。
他の理由は、時間と根気があればできますが、これだけはどうにもなりません。
今回の記事では、中学受験の勉強で方程式を使わないほうがいい理由を4つ書いていきます。
受験までに間に合わない可能性がある
中学では、1年生のときに一次方程式を、2年生のときに連立方程式を習います。
小学校のカリキュラムを全て終えた中学生でも、連立方程式を解けるようになるまでに、2年間もかかるのです。
方程式に必要ない単元を学んでいる時間を飛ばしたとしても、たくさんの時間が必要なのではないでしょうか?
小学生で言うと、2年生ではかけ算ができるようになりますが、2桁のかけ算をするには、足し算も必要になります。
足し算を習う学ぶのは1年生なので、2桁のかけ算をマスターするまでには2年近くかかっていることになります。
これを4歳児に「2桁以上のかけ算ができるようになるまで、小学生なら2年もかからないでしょ?小学校に上がるまでに完璧にマスターしてね!」と言っても、かなり厳しいことは簡単にわかります。
それと同じことで、小学生に「小学生の算数を6年分終えた上で連立方程式までマスターしてね!」と言っても、たいていの子は不可能です。
それでも、もし連立方程式までを学習させようとするなら、最低でも3年間はほしいなと思います。
内訳としては、6年生は今更方程式を学んでいる場合ではないのでその1年間、方程式を学ぶのに中学生と同じ期間で2年間、計3年間です。
それだけ時間をかければ、中学受験本番までに、方程式を使えるようになっているかもしれません。
勉強開始時期は、もう少し余裕を持って追加で1年間…と考えると、小学校3年生にはスタートしたいところです。
息子に方程式を教えようかどうか迷ったのは、ちょうど小学校3年生前半で、そのときにすでに6年生までの算数は終わっていたので、時間はありました。
しかし、間に合わなかった場合、方程式を使った場合も使わなかった場合も中途半端になってしまい、苦労した割に点数が伸びなくなるというリスクがあります。
計算することよりも式を立てることが難しい
方程式の計算ができるからと言って、中学受験の文章問題もすぐに方程式で解けるようになるだろうと思うと危険です。
なぜなら、計算だけであれば計算のルールさえ覚えてしまえば簡単にできますが、文章問題で自分で式を立てることは、計算よりもはるかに難しいからです。
息子も下の画像のような□に入る数字を求めるような問題は、スラスラと解いていきます。
これができるなら、あとは式を立てるだけでしょ?と思ってしまうところですが…
それが簡単にできるのなら、中学生で方程式を学ぶ必要がありません。
もし簡単なのであれば、小学校で虫食い算などをやるのだから、それにプラスアルファで方程式を学んでしまえばいいのです。
でも、そのプラスアルファが小学生には難しいからまだ習いません。
では、なぜ難しいのでしょうか?
息子に食塩水の問題を教えてみたところ、2つの壁があることがわかりました。
1つは「何をX(小学生なら□)にすればいいの?」という疑問です。
もう1つは「何と何を=で結ぶの?」と、これもわかりませんでした。
どちらも式を立てる時点でつまずいています。
文章問題はもちろん食塩水だけではないので、この壁を文章問題の種類の分だけ解決する必要があります。
たくさん問題を解いていけば、いつかは理解して式を立てられるようになるでしょう。
しかし、上の“受験までに間に合わない可能性がある”と似たような理由になりますが、いくら時間を取ったとしても、子どもの理解が追い付かなければ、結局中途半端に終わってしまう可能性があります。
中学受験用の問題集の解説は方程式を使っていない
上記で述べた時間と理解の問題を解決できたとしても、中学受験の算数で方程式を使うには、まだ問題があります。
それは、中学受験用のテキストは、当たり前ですが方程式を使わないで解く方法を解説しているということです。
方程式を使って解いたほうが楽なのでは?と考えるお父さんお母さんであれば、ご自身も算数(数学)が得意であったことはわかります。
しかし、自分が方程式を扱えるだけでは、子どもに教えるには力不足かもしれません。
子どもに教えるには少なくても、解説を見ずに解いて小学生にわかるように解き方の説明ができること、方程式で解く問題と方程式で解かない問題の判別ができることが必要です。
中学受験用のテキストには、当然方程式の解説はないので「あー、この問題はわからないなぁ」では、子どもが困ってしまうのです。
では、中学生用のテキストを使えばいいのでは?と思うかもしれませんが…
その場合は、中学受験で出てくる問題か、やる必要のない問題かを判別しなければなりません。
どちらにしてもできる人はおそらく少数で、私はどちらも自信がないので、ここで諦めることとなりました。
塾の授業と家でのやり方が違うと混乱する
もし、時間がたっぷりとあって、教える自信もあったとしたらどうでしょうか?
仮に私が中学受験の算数を徹底的に分析して、方程式で解く方法を時間をかけて息子に教えたら、それが息子にとってベストなのでしょうか?
これまでに書いてきた問題は、親が計画をしっかり立てて、親が教えられるほど勉強をすれば、解決できなくはない問題です。
しかし、もう1つ解決しなくてはならない問題があります。
それは、塾をどうするかです。
塾では当然、方程式を使わないで解く方法を習います。
塾の授業で「そういう解き方もあるんだなぁ」と子どもが思えるほどに、算数を極めていればいいのですが、そうでなければただ混乱するだけです。
混乱せずにすんだとしても、方程式で解く方法と、方程式ではないやり方と両方マスターすることになり、子どもの負担が増します。
そもそも、混乱しないほどに算数ができる子であれば、塾の算数なんて必要ありません。
塾に行かないと不安なのであれば、つまりそれは小学生で方程式を使いこなすような天才ではないということです。
これまで偏差値65をキープしている息子でも、家と塾でやり方が違ったらきついだろうなと感じました。
どんな小学生でも、方程式ばかりを勉強し続けるなら、まだなんとかなるかもしれません。
しかし、中学受験では方程式を使える文章問題以外にも、面積や体積の問題、場合の数などの方程式を使わない問題も出ます。
色々な種類の問題を勉強して身につけるためにも、やはり塾のお世話にはなりたいところです。
であれば、子どもの負担軽減のためにも、塾に行くのなら方程式を教えるべきではありません。
わざわざ時間を使って、方程式とそうでない解き方の二通りのやり方を習うなんて、非効率的です。
まとめ
以上4点が、私が小学生の息子に方程式を教えない理由です。
子どもに方程式で解く方法を教えたいと思ったのは、誰のためでしょうか?
私は、“自分が教えやすいから”と“自分が方程式で解いたほうが楽だと思うから”教えたいと思ったのだと自己分析しています。
大人と子どもでは数学を学んできた年月も違うのに、ずいぶんと勝手な考え方をしていたと反省しています。
息子の立場で考えてみたら、“二通りやるなんて二度手間”“難しくて苦痛”“そこまで時間かけてやりたくない”って思いました(笑)
その結果、塾に行くなら教えないほうがいいなと、自分を納得させることができました。
みなさんも子どもの立場で考えてみてください。
もしそのときに、算数の能力が非常に高く“受験用の解き方だけ押し付けられて苦痛”と感じるとか、“他のやり方も学んでみたい”と意欲的だったりする場合は、教えてもいいのではないかと思います。
子どもの能力も一人一人違うし、家庭での考え方もそれぞれ違うので、教えるなとは言いません。
私が教えることを諦めた理由を読んで同じように納得して諦めたり、逆に全部否定できるから自信を持って教えたりと…
私の教えない理由も判断基準にしてもらたらいいなと思い、この記事を書きました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!