我が家の息子は、睡眠時無呼吸症候群でした。
いつからだったのか覚えていないほど小さな頃(遅くても2歳頃)から症状がありました。
そして、息子が小学1年生のときにその症状が睡眠時無呼吸症候群だと知り、小学2年生のときに扁桃腺とアデノイドを取る手術を受けました。
結果的には手術を受けてとても良かったのですが、まず手術を受けるかどうかで悩み、受けると決めてからも本当に受けていいのかたくさん悩みました。
先生から丁寧な説明を受けて頭では理解しているのですが、どうしても気持ちがついていかなくて…
そのときに参考にさせていただいたのが、扁桃腺やアデノイドを取る手術について書かれたブログです。
患者側の経験談を読んで、つらい部分は覚悟を決めたり、知ることで不安を取り除いたり、改善された結果に希望を持ったりして、徐々に自分を納得させることができました。
たくさんのブログに助けられたので、次は私が経験談を語る1人となって、悩んでいる方のもとにこの記事を届けられたらいいなと思います。
というわけで、今回の記事では、息子の症状と経過の記録を書いていきます。
息子の症状
息子は、以下の症状がありました。
・寝ているときに呼吸を止める
・寝ているときの口呼吸
・寝姿勢が悪い
・悪夢障害
では、これから1つ1つの詳細を書きます。
いびき
息を吸うときに「ぐごー」とか「ふがっ」など、大人顔負けのいびきをかいていました。
動画を撮影すれば、しっかりいびきが録音できるほどです。

ただ、自分の子どもなので、いびきさえもかわいくて…
私はこれが睡眠時無呼吸症候群の症状だなんて思いもしなかったです。
寝ているときに呼吸を止める
うるさいほどのいびきが一瞬静かになります。
数秒のときもあれば、数十秒のときもありました。
寝ているときの口呼吸
息子の場合は、起きているときや、いびきが小さめなときは鼻呼吸でした。
いびきが大きいときにだけ、口をぽかんと開けて寝ていることが多かったです。
とくに風邪をひいているときは、一晩中口呼吸でした。
寝姿勢が悪い
寝ているときの体勢がおかしく、頭を後ろに反って寝ていました。
ちょうど気道確保のような体勢です。
本当にその体勢で気道を確保していたのでしょう。
陥没呼吸
睡眠時無呼吸症候群は、息を吸っても吸えていない状態になり、胸のあたりがべこべことへこみます。
素人には少しわかりにくいのと、パジャマをめくってお腹を出すと起きてしまって見れないので、私はあまり胸の陥没を確認することはできませんでした。
鎖骨の上で首の横あたりも陥没すると先生に教えていただきチェックしてみたら、鎖骨の上あたりの陥没はよくわかりました。
普通の人は、鎖骨の上あたりがべこべこすることはないので、わかりやすいです。
悪夢障害
夢の話をできる年齢になってから、息子が「こわい夢ばかり見る」と訴えるようになりました。
悪夢は誰でも見ますが、息子は悪夢の頻度がほぼ毎日となっていて、夢がこわいから寝たくないと言うほどでした。
大人だと、現実の呼吸の苦しさが夢に直結し、首を絞められる夢や溺れる夢を見るそうです。
しかし、子どもはそんな知識はないので、息子はおばけや妖怪に追いかけられたり捕まったりする夢を見ていました。
睡眠時無呼吸症候群と診断されるまで
次に、息子が睡眠時無呼吸症候群と診断されるまでのことを紹介します。
流れとしては…
4歳9ヶ月 |両耳の鼓膜にチューブを入れる
6歳10ヶ月|右耳のチューブが抜ける
7歳3ヶ月 |左耳のチューブが抜ける
7歳6ヶ月 |アデノイド肥大がわかる
〃 |睡眠時無呼吸症候群と診断される
このようなかんじです。
詳しく説明をするつもりですが、経過は人それぞれなので、参考になるかは微妙なところです。
気になる方のために一応紹介はしますが、読み飛ばしていただいてもかまいません(笑)
4歳3ヶ月 |両耳が滲出性中耳炎になる
息子の耳が聴こえていないと感じ、近所の耳鼻科に連れて行きました。
そのときに診断されたのが滲出性中耳炎です。
アデノイド肥大により、耳管がふさがれてしまって、滲出性中耳炎を起こしやすくなるそうです。
このときはまだアデノイド肥大はわかっていなかったので、風邪から耳にきてしまったのだろうとしか思っていませんでした。
4歳9ヶ月 |両耳の鼓膜にチューブを入れる
半年間、薬で鼻炎を治して経過観察をしていたのですが、両耳とも聴力が全く回復しませんでした。
なので、鼓膜にチューブを入れることになりました。
6歳以下の子どもは、基本的に全身麻酔の手術でチューブを入れるそうです。
しかし、息子は注射でも泣いたことがないほど我慢強く、入院するくらいなら頑張ると本人の希望もあり、クリニックで日帰り手術を受けました。
6歳10ヶ月|右耳のチューブが抜ける
右耳のチューブが抜けました。
聴力はある程度回復していたのですが、鼓膜の検査は結果が悪かったです。
7歳3ヶ月 |左耳のチューブが抜ける
左耳のチューブも抜けました。
左耳はここで完全に良くなりました。
7歳6ヶ月 |アデノイド肥大がわかる
右耳が回復しないので、鼻から耳へ空気を入れてみようということになり、鼻から空気を送る管を挿入しました。
しかし、管がアデノイドにあたってしまって入りません。
ここで初めて、息子のアデノイド肥大が判明しました。
先生から「いびきすごいんじゃない?」と聞かれ、やっと息子のいびきが異常であることに気付きました。
7歳6ヶ月 |睡眠時無呼吸症候群と診断される
アデノイド肥大と息子の症状から、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあるということで、紹介状をいただきました。
そして、後に手術を受けることとなった総合病院へ行くこととなりました。
病院で機械を借りて、自宅で睡眠時無呼吸症候群の簡易検査を行った結果、睡眠時無呼吸症候群と診断されました。
なお、このときに、扁桃肥大も指摘されています。
手術を受けるほどではないと言われていましたが、取ってみたら埋もれて隠れていただけで、大きい上に癒着も起こしていたことがわかりました。
手術前後の話
7歳6ヶ月のときに睡眠時無呼吸症候群と診断され、手術を受けたのは8歳4ヶ月のときです。
睡眠時無呼吸症候群の検査から手術を受けた後までのことを紹介します。
※手術や入院の話は、長くなるので別の記事にまとめます。
診察を受けるまでにしたほうがいいこと
紹介状をいただいた翌日は、総合病院の耳鼻咽喉科が手術日でお休みだったため、2日後に行くことになりました。
行くまでに日にちがあったので、睡眠時無呼吸症候群の症状であろういびきの動画を撮っておきました。
この動画のおかげで、息子の現状を初日から伝えることができ、初診日に簡易検査を受けることができました。
睡眠時無呼吸症候群の疑いで病院に行かれる方は、ぜひ家族に頼んででも、動画を撮影しておくことをおすすめします。
動画は、全体の寝姿、アップでの顔、首や胸元を撮影しておくといいと思います。
睡眠時無呼吸症候群の簡易検査
息子の場合は、家でできる簡易検査を行いました。
寝ている間に、鼻の穴にチューブをさして呼吸をチェックし、手の指に機械をつけて血液中酸素濃度と脈拍を調べます。
取れてしまうと検査ができなくなってしまうので、テープでたくさん固定しました。
検査結果
検査の結果、息子は睡眠時無呼吸症候群だと判明しました。
結果の数値や詳細は知らされていないのですが
「睡眠時無呼吸症候群としては軽いが、子どもの睡眠時無呼吸症候群としては軽くはない。手術をせずに点鼻薬で乗り切れば、成長して問題なくなるかもしれない。」
という内容のことを言われました。
私は専門家ではないので、適切な表現ができているか不安なのですが…
アデノイドは6歳頃に大きさのピークを迎え、そのあとは段々と小さくなります。
逆に、顔は大きく成長していくので、成長とともに空気の通り道が広がって、睡眠時無呼吸症候群が改善することがあるようです。
当然ですが、手術をしなくても大丈夫なら、しなくていいと思いました。
ほんのわずかの確率でも、全身麻酔や傷口からの出血で息子を失うかもしれないと思ったら、とてつもない恐怖に支配されて手術から逃げました。
手術を決断するまで
点鼻薬で様子を見ていた結果、風邪を引いていない日は、きれいな寝息になりました。
しかし、風邪を引くと、すぐに睡眠時無呼吸症候群の症状が出てきます。
息子は元々風邪を引きやすく、風邪を引くとすぐに高熱を出し(後に、この熱は扁桃腺だったと判明します)、1週間程度は熱が下がり切りません。
鼻水などの症状はもっと長引きます。
半年ほど点鼻薬で様子を見ていましたが、私の感覚だと、月の3分の1は鼻水等の症状に悩まされていました。
つまり、3日に1回は睡眠時無呼吸症候群の症状が出ているのです。
3日に1回、しっかりと眠れない日があったら、体はどれだけしんどいのでしょうか?
息子の成長にどれだけ影響があるのでしょうか?
半年間、苦しそうな息子を見る度に、本当に手術を受けなくていいのか悩みました。
そして、私は先生に「息子が先生の子どもだったら、手術を受けさせますか?」と聞きました。
それに対して、先生は「私だったら受けさせません。私は自分で対処できますから。」と正直に答えてくれました。
そう、息子を3日に1回睡眠時無呼吸症候群にしているのは、私に知識がないせいなんです。
熱が出てつらそうなら病院に行って、もらった薬で様子を見て、それでもダメだったらまた病院に行って、薬もらって…
私がこのような手順を踏んでいる間に、もし私が先生だったら最短で適切な処置ができるのでしょう。
私は素人だから仕方ないとはいえ、これは大きな差です。
では、この差を埋めるにはどうすればいいのでしょうか?
私の答えは、手術でした。
手術を受ければ睡眠時無呼吸症候群が改善するし、扁桃腺も取ってもらえば高熱を出すことも減ります。
そして、手術を受けるなら、信頼できる今の先生にお願いしたいと思いました。
この結論を先生に話すと、すんなり手術することをを受け入れてくださり、手術を受けることになったのです。
手術の結果
扁桃摘出術とアデノイド切除術は、難しい手術ではなく、成功率の高い手術です。
息子の手術も成功しました。
アデノイドは術前から分かっていた通り、たくさん取れました。
扁桃腺は、隠れて見えなかっただけで、先生が思っていたよりも大きかったそうです。
まだ8歳ですが、すでに癒着を起こしていて、何度も扁桃腺を腫らしていたことがわかりました。
扁桃腺を取って良かったと先生にも言われ、手術を受けさせて結果的に大正解だったと思いました。
手術後の変化
術後一ヶ月程度は、たまにいびきをかいていましたが、それ以降は毎日きれいな寝息です。
手術をする前は2ヶ月に1回は高熱を出していたのですが、術後は1年以上1回も高熱を出していません。
風邪は引くのですが、微熱と軽い症状程度ですぐに治ってしまいます。
悪夢の質も変わりました。
人間なので悪夢はたまに見るのですが、今までは寝るのが恐怖なほどの夢だったのが、今では嫌な夢だったな程度ですんでいます。
具体的には、逃げても逃げても悪霊や鬼に追いかけられて苦しい夢が、ママにこっぴどく叱られた程度の夢になりました(笑)
まとめ
睡眠時無呼吸症候群の症状がなくなり、きれいな寝息で寝られるようになった息子を見て、先生へ感謝の気持ちが尽きることがありません。
大げさに聞こえるかもしれませんが、手術を受けて息子の体調はもちろん、息子の人生が変わったと思います。
ただ、術後はやはりつらかったし、危険が0ではないから、安易に人に手術をおすすめはできません。
私が息子に手術を受けさせて良かったと思うのも、無事に成功したからであって、成功していなければ当然別の感想になっていたでしょう。
人は毎日寝ます。
手術を乗り越え残りの人生良質な睡眠を得ますか?
それとも、手術の危険は冒さず日々対処していきますか?
人それぞれ症状の重さも違うし、どちらがいいのかはわかりません。

少しでも後悔の少ない選択ができますように♪
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